2014年10月01日
診療所を訪れる方々にとって一番知りたいところであり、また一番多い質問です。私はいつも 「残念ながら完治はしません」 と答えています。実際、肺のレントゲン写真上に陰影が出現し、治療によってこの陰影がなくなってしまい、肺炎が治りました。と言うような明らかな完治の証拠がないのです。 検査も異常なく、症状も出ず治ったかなと思われる時でも10年ぶりに発作が出た、などという方もおられます。
将来遺伝子治療などが行われるようになれば完治ということが言えるようになるかも知れませんが現時点では不可能です。しかし気管支喘息は治療によってコントロールできる病気です。この10年で治療は飛躍的に発展しました。
吸入ステロイド薬を主として長時間効果が続く気管支拡張薬、抗ロイコトリエン薬など、うまく組み合わせて使う事により発作を長期間起こさないようにしておくことが出来るようになりました。
喘息に特徴的な、刺激に気道が過敏に反応して気管支が狭くなる気道の過敏性などや、気道に起こるアレルギー反応などもこれらの治療により抑えることが出来るようになって来ました。 ただ大切なことは治療を続けるという事です。治療を中止すると数ヶ月で気道の過敏性なども元に戻ってしまうことが研究によって明らかになっています。
また環境なども整える事は大切です。禁煙は守るべき最も大切な事です。難しいことかも知れませんが過労やストレスなども極力なくしていくように努力が必要でしょう。
治療の継続など御自分の意思を強めて喘息という病気に立ち向かって行かれるならば、生涯にわたって発作がでないこともあると思います。この時初めて 「ああ、喘息は完全によくなっていたんだ」 と思えるのかも知れません。
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