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関節リウマチについて

2014年10月01日

山田昭夫

関節リウマチについて

● 関節炎 (多発性、対称性、移動性)
● 朝のこわばり (30分以上続く)
● 関節外症状 (皮下結節、間質性肺炎)


【概要】

 関節リウマチは全身の関節に長く続く痛みを起こす病気です。炎症ですので関節は熱を持って腫れます。放っておくと骨が壊れ関節が変形し、 日常生活を著しく不自由にします。場合によっては車椅子あるいは寝た切り生活になる可能性もあります。患者さんの数は、 200人に一人くらい、日本全国で50〜60万人くらいいると言われています。女性に多く、男性の4倍くらいです。発病年齢は 40歳台にピークがありますが、小児から70 歳以上の高齢者まであらゆる年齢層に発病します。

【症状】

全身の関節(滑膜関節といわれる関節)に熱感と腫れを伴う関節痛を起こすほか、関節外病変といって関節以外にもいろいろな異常を起こす 可能性のある全身性の病気です。

(1)関節症状:痛みを起こす関節に特徴があり、手指の第2 関節(PIP 関節)、第3関節(MCP 関節)、手関節、足の第3 関節(MTP関節)などに発病することが多く、膝関節,足関節,肘関節、 肩関節なども起こりやすい関節です。手指の第1関節(DIP 関節)に起こることは極めて稀で、この関節に変形が起こるのは加齢によるものが多く、ヘバーデン結節と呼ばれます。 関節リウマチの関節痛は炎症ですから熱を持って腫れること(炎症性)、多くの関節に起こること(多発性)、痛みが他の関節に移動しやすいこと(移動性), 左右同じ関節が痛むことか多いこと(対称性)などの特徴があります。痛みは炎症の強い時は静かにしていても痛みます(安静時痛)が, 炎症が治まって変形が残った状態では動かした時だけに痛みます(運動時痛)。また、朝の起床時に手がこわばる(朝のこわばり)という症状もよくみられますが、 これは長く続く(めやすとして30分以上)のが特徴で、腱鞘炎で起こるこわばりは少し動かすとすぐ治ります。

(2)関節外病変:関節周辺の皮下のしこり(皮下結節)、間質性肺炎などを起こすことがあります。間質性肺炎は詳しく調べると 関節リウマチ患者さんの約半分は持っているといわれており、ふつうは進行するものではなく特別の治療を要しません、症状は労作時の呼吸困難ですが軽いものでは 気がつきません。悪性関節リウマチといわれているさまざまな関節外病変を伴う病気では生命に関わることもあり厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されています。

【検査】

検査は診断、活動性評価・治療効果判定、副作用のチェックのために行われます。
(1)診断のための検査:従来よりリウマチ因子(RF)が有用で現在でも一般的に用いられていますが、最近は抗CCP抗体の方が他の疾患で陽性になることが少なく、より有用といわれています。しかし、この検査も、リウマチ因子と同じく、シェーグレン症候群など他疾患でも陽性となることがあります。
(2)活動性を評価するための検査:炎症の指標であるCRP(C反応性蛋白)と赤沈が有用です。炎症があることの証しですので診断の参考にもなります。治療方針の決定、治療効果の判定に不可欠の検査です。関節破壊が現在進行中か否かをみるには.MMP-3が有用です。

【治療】

炎症を鎮め関節破壊の進行を抑えるには薬物治療が必須です。一生闘っていかなければならない病気ですので、あせらずにご自身の身体に合った薬をうまく使っていくことが重要です。関節の変形が進行してしまった場合は、装具・補装具、場合によっては外科的手術が必要となります。
薬剤としては,非ステロイド抗炎症薬(NSAID)、副腎皮質ステロイド薬、遅効性抗リウマチ薬(DMARD)・免疫抑制薬が用いられて来ましたが、最近では生物学的製剤が出現し治療法が大きく変わりました。
(1)非ステロイド抗炎症薬:いわゆる"痛み止め"で、多くの種類の薬がありますが、これだけでは病気の進行を止める作用は弱く、痛みを和らげ少しでも快適な日常生活を送るための薬と考えて良いと思います。胃を荒らすことが多いので胃薬を併用することが多いですが、最近は胃を荒らさない薬(COX2選択的阻害薬)も使われています。
(2)副腎皮質ステロイド薬:炎症を抑え、痛みを和らげる薬ですが、多量を長い間使用すると副作用も多いので、急性期など多量を必要とする時はなるべく短期間に止め、長期になる場合は少量(プレドニゾロンとして7.5mg以下)に抑えます。関節リウマチの進行を抑える作用は強くありませんが、痛みを抑える作用が強いので、うまく使うと便利な薬です。副作用として長く使うと骨がもろくなること(骨粗鬆症)が問題ですが、最近はビスホスフォネート薬など強力な薬がありますので、骨折を予防しておくことも大事です。
(3)抗リウマチ薬・免疫抑制薬:炎症を抑え病気の進行を阻止する薬で、関節リウマチ治療にもっとも重要な薬です。中でもメトトレキサート(MTX)という免疫抑制薬が効きめが良く、基本的な薬となっています。リウマチ専門医では80〜90%の患者さんに使用されており、70〜80%の患者さんに有効です。服用の仕方が特殊ですので良く指導を受けて間違いのないようにしてください。
(4)生物学的製剤:MTXや他の抗リウマチ薬が効かない場合は、生物学的製剤の使用も考えます。生物学的製剤とは、白血球、リンパ球などから分泌される炎症性サイトカインというたんぱく質をそれらに対する抗体などで抑えるもので、日本ではインフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、トシリズマブ、アバタセプトが使用可能で、今年9月には新たにゴリムマブが発売されました。いずれも効果は大変良いのですが、高価です。感染を起こしやすくなることがありますので慎重に使います。欧米では発病早期から使用し、変形が来ないうちに治してしまおうという考え方になって来ています。

(表)の生物学的システムの種類と特殊な鄭智フル

一般名 (製品名) 通常の道路行政 投与間隔 テーマ ネイチャー
インフキキシマブ (レミケード) 点滴2時間 1ヶ月のリターン のTNF α キメラ型抗体
エタネルセプト (エンブレル) 皮下 戻って1から2週間 のTNF α β 体積の融合タンパク質
アダリムマブ (ヒュミラ) 皮下 2週に1回 のTNF α ヒト型抗体
トシリズマブ (アクテムラ) 点滴時間 1ヶ月のリターン IL-6 受容体抗体
アバタセプト (オレンシ) 点滴30 1ヶ月のリターン T細胞 体積の融合タンパク質
ゴリムマブ (シンポニー) 皮下 1ヶ月のリターン のTNF α ヒト型抗体

いずれも、薬価で年間120〜150万円と高額であり、しかも、いつ止められるかわかっておりあせん。保険診療に加え、高額医療費制度などを利用しなるべく自己負担を少なくすることも重要なことですし、導入にあたっては考えておかなければなりません。

(5)装具・補装具、手術療法

 不幸にして関節の破壊が進んでしまい不自由な場合は、装具・補装具で生活しやすいように工夫します。よく使われ有効なものは、杖、手関節固定装具、頸椎カラー、足底板などです。それでもうまくいかない場合は外科的手術も考慮されます。人工膝関節置換術、人工股関節置換術、人工肘関節置換術、足趾形成術などです。

●関節リウマチと妊娠・出産について
関節リウマチは比較的若い女性に発症することが多いので、妊娠・出産への考慮も必要になります。
関節リウマチを病気を持っていること は妊娠・出産に特に問題はありません。お子様への遺伝もほとんど問題はありません。
問題となるのは治療薬剤です。メトトレキサート(MTX:リウマトレックス)およびレフルノミド(アラバ)はDNA合成阻害薬で細胞の分裂を抑えますので、胎児への影響があります。したがって妊娠希望時期には中止しておく必要があります。もう一つの免疫抑制薬タクロリムス(プログラフ)は安全に出産したとの報告もあります。抗リウマチ薬は催奇形性は報告されていませんが避けることが望ましいですが、スルファサラジン(アザルフィジンEN)だけは日本では注意が記載されていますが、米国FDAでは妊娠中でも服用可能の薬剤とされています。非ステロイド抗炎症薬は」妊娠後期には禁忌とされていますので妊娠が判明してから中止しても支障ないと思われます。副腎皮質ステロイド薬はプレドニゾロンが胎盤通過性が悪いので10mgまでは妊娠中も服用可能とされていますので経口あるいは関節注射で妊娠中を乗り切るのが良いと思われます。ただ妊娠中は内因性のステロイドホルモンが多く産生されますので、比較的調子良く経過します。しかし、出産後は急激にステロイドホルモンがなくなりますので、悪化することが多く、この時期はしっかりと観察することが重要です。

ルノアール(1841ー1919)

1888年に関節リウマチ発病。関節リウマチ治療薬が何もない時代で、せめて寒いパリから温暖な南仏カーニュに移住しましたが、治るはずもなく。車椅子生活で絵筆も満足に持てない状態でしたが最後まで絵を描き続けました。当時、彼の絵は明るすぎて人生の深みがない、と批判されもしましたが、このような豪病と闘い続けながらも、なおかつ明るい絵を描き続けたことに彼の人生の素晴らしさがうかがわれます。