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小児喘息

2014年10月14日

十字文子

小児喘息


小児喘息

小児喘息は発作性に笛声喘鳴を伴う呼吸困難を繰り返す疾患であり、自然にまたは治療により軽快・治癒するが、ごく稀に死に至ることがある。

  • 気管支喘息は発作性に喘鳴を伴う呼吸困難を繰り返す疾患である。
  • 組織学的には気道炎症が特徴で、小児においても成人同様の気道リモデリング(組織変化)が認められる。
  • 小児喘息ではアトピー型が多く、ダニに対する IgE 抗体が高率に認められる。
  • 小児喘息の重傷度間欠型軽症持続型中等症持続型重症持続型でこの中に難治性喘息がある(小児と成人では重症度に一段階のずれがある)。
  • 重症度に応じて治療法を考慮する。
  • 無治療、無症状になったときを完解と判定し、完解期から5年以上続くと治癒と判定する(小児喘息ガイドライン)。

小児喘息の特徴

小児は発育の途上にあり、年令により喘息の症状、治療法が異なり、特に2才未満を乳児喘息と呼ぶ。

乳児喘息

  • 小児喘息の多くがこの時期におこる。
  • ウイルス性気管支炎や喘鳴症状との区別が重要。
  • アレルギーの家族歴IgE高値ダニに陽性の場合リスクが高く、適切な診断、治療を早期に導入して気管支の損傷を防ぐ事が大切である。

思春期喘息

小児から成人へと成長していく過程の12才から21才頃までを言い、小児喘息は軽快または治癒する一方、難治化から死亡例がみられる。特徴的なのは治療の主導権が保護者から患者本人に移行する事で治療がおろそかになり、受診率が激減する。これらの理由により思春期には喘息死が増えてくる。

I・ 診断を的確に受けること。風邪の症状があるが治りにくい、咳が長引く、などのことがあれば適切に診断を受けて下さい。その結果より良い治療法が可能になる。
II・ 診断法

(1) 皮膚プリックテスト
(2) 血液テスト(IgE値やラスト法など)
(3) 鼻汁塗沫テスト
(4) 吸入による喘鳴の呼吸困難の改善度。年令が大きくなると呼吸機能検査が可能となる(肺活量・スパイログラフ・気道過敏性検査)。自宅にて ピ ークフローを計る ことにより日常の状態を知ることができる。

III・現在、成人と同様に小児にも治療のガイドラインが示されているが、小児(乳児期、学童期、思春期、青年期)の発育過程を良く知る、経験豊富で、安全性を慎重に考えている医師にかかることが重要である。

小児気管支喘息の病態(日本小児アレルギー学会ガイドラインより)

喘息の定義は「喘息は肥満細胞、好塩基球、リンパ球、好中球や上皮など種々の細胞が関与している気道の慢性炎症性疾患である。」としている。

最新の小児アレルギー学会ガイドラインには「小児気管支喘息は発作性の喘息を伴う呼吸困難をくり返す疾患で、自然に、または治療により軽快、治癒する。その病理像は気道の粘液筋層にわたる可逆性の狭窄性病変と持続性の炎症を、それに基づく組織変化からなるもの」と気道のリモデリング(組織変化)に関する事項が追記されている。

小児は胎児期は勿論、出生してから発育の段階において、諸種の感染を経て成人と同様の免疫学的成熟に達する。喘息においては、ハウスダスト、ダニ、花粉、と同様にウイルス感染が発症の重要因子である。

小児において診断の確定は成人よりも困難である。(皮膚テスト・血液液検査・呼吸機能検査・起動過敏性テスト・誘発テスト・気道洗浄・等)したがって 臨床症状・経過・治療の有効性などを検討しつつ、熟練した医師の判定のもとに診断を行い、適切な治療法を導入する事になる。

ウイルス感染により起こる喘鳴ー細気管支炎ー気管支炎ー喘息は発育とともに一部治癒する例もあるが、一部反復を繰り返しつつ気道のリモデリング(組織変化)不可逆性の気道炎症を起こしつつ真の喘息へと発展し、成人の喘息へ移行する。

小児喘息の予後 ー 小児喘息は治るか?

従来小児喘息は治りやすい、大きくなれば治ると言われておりましたが、最近では治る率は30%〜40%と低下し、40%は成人喘息に移行すると言われております。成人になると治りにくくなり、一生症状を持ち続けることになりかねません。 そこで、小児科医は、子供の発育と共に治していく ーout growするー 方法を工夫する責任があります。そのためには、薬のみの治療でなく(1)アレルギーの原因を知ることーそれを除去すること(2)原因が分かればそれに対する減感作療法(3)環境因子を整備することなどの他に体質を改善すること、強化する必要があります。(4)病気に対する不安感を取り去り、正しく理解させて緊急に対処するようにする事がたいせつです。